山邉ブログ

2011.02.04更新

昨年の12月16日に平成23年度の税制改正大綱が公表されました。

主なトピックは次の通りです。

1.税率の引下げ
  年末に菅首相が実効税率の5%引下げを謳っていましたが、これが盛り込まれています。
  (1) 中小企業者等の800万円以下の所得
     軽減税率(特例措置)が現行18%から15%へ引下げられます。(ただし3年間)
     なお、現行の本則税率は22%ですが、これも19%に引下げになります。
  (2) 800万円超の所得
     30%から25.5%になります。
  (3) この引下げは平成23年4月1日以後開始事業年度から適用予定です。

2.減価償却制度の改正
  (1) 定率法の償却率について、定額法の償却率(1÷耐用年数)の250%としていたものを、200%とします。
     これに合わせ、改定償却率や保証率についても所要の整備を行います。
     (所得税についても同様の改正を行います。)
  (2) 原則として、平成23年4月1日以後取得の減価償却資産について適用予定です。
     ただし、平成23年4月1日を跨ぐ事業年度で、同日以後に取得する減価償却資産については、
     改正前の償却率により償却ができる経過措置も設けられます。

3.欠損金の繰越控除
  (1) 繰越控除額の制限
    ① 中小法人等以外の大法人については、
      青色欠損金並びに災害損失金の繰越控除制度の適用にあたり、
      控除限度額を繰越控除前の所得の金額の100分の80相当に制限されます。
      連結欠損金についても同様の措置が講じられます。
      なお、資本金が5億円以上の法人の100%子法人もこの規定の適用を受けるので注意が必要です。
    ② 平成23年4月1日以後開始事業年度から適用予定です。
  (2) 繰越控除期間の延長
     欠損金の繰越控除制度における繰越控除期間が7年から9年に延長されます。
     平成20年4月1日以後に終了した事業年度に生じた欠損金について適用予定です。

4.貸倒引当金制度
  この適用対象法人を、銀行、保険会社その他これらに類する法人及び中小法人に限定します。
  この対象から外れる法人については、平成23年度から平成25年度まで段階的に損金算入制限
  を行う措置が講じられます。
  
5.寄付金の損金算入限度額の改正
  一般の寄付金の損金算入限度額の引下げを行う一方、
  特定公益増進法人等に対する寄付金については拡充を行います。

6.棚卸資産の評価方法
  棚卸資産の期末評価方法のうちの低価法について、「洗替え低価法」と「切離し低価法」とがありましたが、
  「切離し低価法」を廃止します。

7.法人税の中間納付制度
  仮決算による中間税額が前事業年度の確定法人税額の12分の6を超える場合には、
  仮決算による中間申告書を提出できないこととなります。

投稿者: 山邉洋税理士事務所

税務関連・相続のご相談は TEL:03-3261-2363 メールでのお問い合わせはこちら
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