山邉ブログ

2012.09.28更新

税務調査の手続が平成25年より改正されることは、前回のブログに書いたとおりですが、この改正内容の詳細が平成24年9月13日に国税庁より公表されました。

この中で、「帳簿書類の留置き」についてその詳細が明らかになりました。
この帳簿書類の留置きは先の国税通則法の改正により新たに追加された課税庁サイドの権限で、これまでは納税者の了解がなければ帳簿書類等を税務署等の職員が持ち帰るはできなかったのですが、改正後はこれが可能となっています。

この帳簿書類の留置きの判断基準がこのたび公表となっています。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/sonota/120912/pdf/01.pdf
その主な事項は次の通りです。

1.調査実施場所に十分なスペースがなく調査を効率的に行えない場合
2.調査実施場所にコピー機がない場合
3.税務署や国税局内で書類を検査する方が納税者の負担や迅速に調査をする観点から合理的と判断される場合

主にはこれらの事由に該当する場合は、帳簿書類等を税務署等の職員が持ち帰ることもあり得えます。
また、この留置きに関する規定には罰則が設けられており、正当な理由なしに提示・提出を拒んだ場合や虚載の記載をした帳簿書類等を提示・提出した場合は1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されることもあるので注意が必要です。

ただし、留め置く必要がある場合は、その必要性を説明し、帳簿書類等を提出した者の理解と協力の下、承諾を得ることが前提となるので、留め置かれると業務遂行上不都合が生ずる場合などは、その旨を説明すべきでしょう。
また、課税庁側は罰則があることをもって強制的に権限を行使することは考えてはいないようですが、行使する・しないは課税庁側の裁量によるため十分に考慮する必要があるでしょう。


ご相談をお待ちしております。お気軽にどうぞ。
山邉洋税理士事務所
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投稿者: 山邉洋税理士事務所

2012.09.21更新

平成25年1月1日より、税務調査を行う際の手続が改正されます。

どのように改正されたかと申しますと、調査手続の透明性及び納税者の方の予見可能性を高める観点などから、税務調査手続等を「国税通則法」において明確化されております。
つまり、これまでは、税務調査の手続が法律上明確ではない部分が多く、曖昧に行われてきたともいえるのです。調査のあり方が明確になったことは納税者にとっては喜ばしいことと言えるでしょう。

具体的には次のような手続が行われます。

1.事前通知
原則として、税務調査が行われる場合には事前通知が行われます。
ただし、事前通知は行われないこともあります。これは、納税者の中には、事前通知により事実の隠ぺいを行うなど、正確な事実の把握を困難にするケースも想定されるからです。

2.通知内容
事前通知は、納税者本人、調書提出者及びその代理人(税理士など)、反面先に通知することとなります。
そして、
調査の開始日時・場所
②調査の目的
③調査対象税目、課税期間

④調査対象となる帳簿書類その他の物件
調査の相手方の氏名及び住所並びに調査を行う主たる担当者の氏名及び所属
を通知することとなります。
この通知は事前に文書によるものとされます。

3.税務調査終了の際の手続
 税務署長等は、実地の調査を行った結果、更正決定等をすべきと認められない場合には、納税義務者に対し、その時点において更正決定等をすべきと認められない旨を書面により通知されます。
 また、調査の結果、更正決定等をすべき事項がある場合には、税務職員は、納税義務者に対し、調査結果の内容を説明します。その場合、納税義務者に対し修正申告等を勧奨することができるものとされています。その調査結果に関し納税申告書を提出した場合には不服申立てをすることはできないが更正の請求をすることはできる旨を説明するとともに、その旨を記載した書面が交付されます。


今までは税務調査の手続面において、具体的な根拠がないまま調査が進められていましたが、今後は文書による事前通知がされるなど、適正化が図られたと言えるでしょう。この点に関しては納税者にとって一歩前進したと言えるでしょう。

しかし、一方で、修正申告を税務職員が勧めることができるようにするなど、大きなお世話とも言えることを法定化しているのは如何なものかと考えております。不服申立てができなくなるということがどういうことなのか、納税者の多くは真の意味で理解しているとは思えないからです。
税務署の職員等は、この部分をキッチリと説明して、納税者にきちんと理解してもらわなければなりません。そうでなければ修正申告の勧奨などすべきではないでしょう。


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投稿者: 山邉洋税理士事務所

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