3月30日の午前、政府は消費増税関連法案を閣議決定しました。
消費税の税率を平成26年4月より8%、平成27年10月に10%に引き上げるもので、国の財政問題を少しでも解決するために、国民の負担増は止むを得ないのか・・・・・、今後の景気への影響が懸念されます。
さて、昨年12月10日に税制改正大綱が公表されておりますが、主な改正点を挙げたいと思います。
1.個人所得税
<給与所得控除の上限設定>
給与所得控除に上限が設けられます。給与収入が1500万超の個人は、控除額を一律245万円とし、高額所得者には負担増となります。財務省の試算では、この改正により給与所得者の1.2%(50万人)が影響を受けるようです。
<特定支出控除の改正>
範囲の拡大を行い、給与所得者の実額控除の機会が拡大されます。
具体的には、弁護士・公認会計士・税理士などの資格取得費、勤務必要経費(図書費、衣服費、交通費)が追加されます。
<退職金課税の見直し>
勤続年数5年以下の法人役員等の退職金については、2分の1課税が廃止されます。
月額給与を抑える代わりに退職金で差額を精算し、所得税の総額負担を減らすという退職金を利用した節税が抑制されます。いわゆる役人の天下りでも問題になった部分にメスが入った形です。
一般の社員には全く影響の無い改正です。また、5年以上継続勤務している役員の方にも影響はないのでご安心ください。
2.資産課税
昨年の税制改正大綱で盛り込まれていた相続税の基礎控除の引下げや税率構造の見直しは見送られることとなりました。しかし、この見送り部分については、社会保障と税の一体改革の中に織り込むことを2/17に閣議決定しており、改正されることは必至です。それ以外のトピックは次の通りです。
<住宅取得資金の贈与税の非課税措置の拡充・延長>
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合は、次の金額までの非課税措置が講じられます。
平成24年は1000万円(省エネ・耐震住宅は1500万円)
平成25年は700万円(同1200万円)
平成26年は500万円(同1000万円)
3.法人税
昨年度の税制改正とその後の積み残し法案で主なものは改正済みとなっています。今回は措置法の期間延長はありますが、目玉となるものは特にありません。改正済みのもので注意しなければならないものを挙げます。
減価償却制度について、いわゆる250%定率法を200%定率法に改めています。
平成24年4月1日以降終了事業年度より適用となります。また、取得時期で二つの償却方法が混在しないような措置が講じられています。
中小法人を除き貸倒引当金が縮減されています。
欠損金の繰越控除が7年から9年に延長されました。ただし、中小法人以外の法人は欠損金の損金算入限度が控除前所得の80%相当に制限されています(最終的には切り捨てにならない限り、全額損金算入可能なようになっています)。
政局が不安定な中で、消費増税関連法案も含めてすんなり法改正されるとは思えません。今後の国会の動向を注視していきたいと思います。
ご相談をお待ちしております。
山邉洋税理士事務所
www.yamabe-office.com
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