会社の経理上、消費税等の処理が「税抜経理」であるか「税込経理」であるかで税務にもに影響を及ぼします。
税抜経理とは、取引の本体価格と消費税等を区分して処理する方法をいいます。
支払った消費税等を「仮払消費税等」、預った消費税等を「仮受消費税等」の科目を用いて集計していきます。
したがって、決算上の金額は本体価格で表示されます。
税込経理は、「仮払消費税等」や「仮受消費税等」の科目を用いず、本体価格と消費税等の金額を区分せずに
決算処理まで行う方法です。
今回は税務上の注意点を説明します。
1.交際費
中小企業者の場合、交際費は支出額の600万円までは支出額の90%が税法上損金に算入されます。
この600万円の限度額は、税込経理をしている場合は税込の金額で、
税抜経理の場合は税抜の金額で判定します。
また、一定の要件のもとで、1人当たり5000円以下の少額飲食費は全額損金算入できる規定では、
その5000円の基準は、先程と同様に経理方法に従って判定されます。
課税売上割合が95%未満の会社(※)が税抜経理をしている場合、控除対象外消費税等が生じるが、
このうち交際費にかかるものは支出交際費として、交際費の損金不算入の計算に含めなければなりません。
※平成24年4月1日以降開始事業年度は、課税売上高が5億円超の法人は
課税売上割合が95%以上であっても、個別対応方式又は一括比例配分方式により
仕入控除税額を計算することとなりました。
2.固定資産等
少額の減価償却資産(10万円未満)の判定や、一括償却資産(10万円以上20万円未満)、
少額減価償却資産の特例(30万円未満)の判定についても、経理方法に従って判定されます。
例えば、本体価格294,000円(税込308,700円)のパソコンを購入した場合、
税抜経理の場合は少額減価償却資産の特例を適用できますが、
税込経理の場合は30万円を超えるため適用できません。
このように、消費税の経理方法が税務に影響を与えます。
経理方法は継続処理が原則です。
それぞれのメリット、デメリットを今一度確認しておくとよいかと思います。
ご相談をお待ちしております。お気軽にどうぞ。
山邉洋税理士事務所
www.yamabe-office.com
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