山邉ブログ

2010.08.11更新

 経済対策の一環として、住宅を購入したり建築する場合に、親などから資金の贈与を受けた際の非課税措置が拡充されました。

 昨年までは住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税枠は500万円までだったのですが、今年(平成22年)の贈与は非課税枠が1500万円まで、来年(平成23年)の贈与は非課税枠が1000万円までとされました。

 暦年課税の場合、基礎控除110万円がありますので、今年中の贈与では1610万円まで贈与税が課されないこととなります。

 この非課税制度は相続時精算課税制度との組み合わせもできるので、暦年課税ではなく、相続時精算課税制度を選択した場合には、特別控除2500万円と組み合わせると最大4000万円までは贈与税が課されないことになります。なお、住宅取得等資金の1000万円の特別控除は平成21年をもって廃止になりました。
 相続時精算課税制度は贈与をした父や母が亡くなった場合には、父や母からの贈与財産を相続財産に合算して相続税を計算しなければならないのですが、この非課税部分の贈与財産は相続財産に合算する必要がありません。住宅取得のための金銭の贈与を4000万円受けたとしても、相続財産に加算するのは2500万円だけですむわけです。
 相続時精算課税制度は65歳以上の父母からの贈与が原則ですが、一定の住宅取得等資金の贈与の場合は65歳未満の父母からの贈与でも適用が可能となっております。

この非課税制度の適用にはいくつか条件があります。
1.国内に住所があること。
2.直系尊属から直系卑属への贈与であること。
  ⇒ 父母や祖父母から子や孫への贈与など。
    ただし、相続時精算課税制度の2500万円特別控除は父母から子への贈与の場合に限られます。
3.贈与を受けた人の年齢が、20歳以上であること。
 (今年の場合平成2年1月2日以前に生まれた人となります。)
4.贈与を受けた人の合計所得金額が2000万円以下であること。
5.贈与を受けた金銭すべてを住宅用の家屋の新築や取得または増改築等に充てること。
 (家屋そのものの贈与は対象になりません。)
6.その家屋に居住するすること。
 ※ 家屋には登記簿上の面積が50㎡以上であることなどの要件があります。

 この非課税制度は受贈者単位で計算するので、父と母からそれぞれ1500万円の住宅取得等資金の贈与を受けても非課税となるのは1500万円だけです。

 生前に親から贈与を受けて住宅を取得することを計画している場合には、今年中の方が非課税枠が大きいので、検討してみてはいかがでしょうか?


投稿者: 山邉洋税理士事務所

税務関連・相続のご相談は TEL:03-3261-2363 メールでのお問い合わせはこちら
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